自治体では廃棄不可!? モバイルバッテリーの正しい捨て方とは?
2018/06/22
スマートフォンやタブレット端末が生活必需品になるに伴い、出先で役立つモバイルバッテリーの需要が高まっています。使用頻度が高いため劣化もしやすく、買い替えを検討している方も多いことでしょう。しかし、意外とモバイルバッテリーの廃棄方法は知られておらず、どのように捨てればいいのか悩みがちです。そこで、今回はモバイルバッテリーの正しい処分方法についてご紹介します。
- モバイルバッテリーの廃棄について
- まだ使えるモバイルバッテリーは買取・売却処分しよう
- モバイルバッテリーの正しい捨て方とは?
- モバイルバッテリーの廃棄は不用品回収業者がおすすめ!
- モバイルバッテリー処分に関するQ&A
この記事を読むことで、モバイルバッテリーの処分に関する基礎知識を学ぶことができます。知って損のない知識ばかりなので、ぜひご一読ください。
1.モバイルバッテリーの廃棄について
まずはモバイルバッテリーの廃棄に関する基礎知識を学び、知らないことによるトラブルを避けましょう。
1-1.モバイルバッテリーはゴミとして捨てられる?
モバイルバッテリーに使われているのはリチウムイオン電池と呼ばれる充電池です。このリチウムイオン電池にはレアメタルなどが含まれており、有効資源利用促進法に基づくリサイクルの取り組みが進められています。さらに、熱がこもると自然発火する恐れがあることなどから、多くの自治体ではゴミとして処分することはできません。しかし、一部の自治体では不燃ゴミで出せることもあります。詳しくは市や区のホームページなどを参考にしましょう。
1-2.リサイクルの必要性
リチウムイオン電池に使われるリチウムやコバルトは、いわゆるレアメタル(レアアース)と呼ばれるものです。これらのレアメタルのほとんどを、日本は海外からの輸入に頼っています。さらに、希少性の高いレアメタルは高価です。ですから、ただ使い捨てにしてしまうのではなく、今ある資源を無駄にせず再利用していくことが大切になります。
1-3.モバイルバッテリーの処分タイミング
モバイルバッテリーの処分タイミングとして多いのは以下の3つです。どのようなタイミングで処分すればいいのか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1-3-1.1年半~2年が経過
モバイルバッテリーに多く使われているリチウムイオンバッテリーは、平均して500回の充放電に耐えられるとされています。そのため、使い方にもよりますが、1年半~2年程度が一般的な寿命となるでしょう。寿命を迎えたバッテリーは充電ができなくなったり変形や破裂したり、最悪の場合には発火することもあります。1年半~2年を目安に交換しましょう。
1-3-2.変形し始めている
前述したように、長く使い続けていると変形を起こします。多いのは膨らんでくる現象で、放っておくと破裂することがあるので交換が必要です。一見目に見えない場合でも、特有の甘い匂いがした場合は亀裂が入っているので注意してください。リチウムイオンバッテリーの中にはコバルト酸リチウムや電解液などの有害物質が含まれています。亀裂を放置すると体によくありません。さらに、亀裂が原因で発火する恐れがあるので、すぐに使用を中止して処分しましょう。
1-3-3.充電機能の低下
バッテリーは充放電を繰り返すたびに少しずつ充電能力が低下していきます。目安としては、本来の半分程度までしか充電できなくなったら寿命です。交換を検討してください。
2.まだ使えるモバイルバッテリーは買取・売却処分しよう
売却が可能なら、処分できる上に利益も得られて一石二鳥です。積極的に検討してみましょう。
2-1.モバイルバッテリーの中古需要
モバイルバッテリーには汎用性があります。そのため、普通のリチウムイオン電池に比べて中古需要は高い傾向にあるでしょう。ただし、前述したようにリチウムイオン電池は消耗品なので、状態の良しあしによって需要が大きく違ってきます。
2-2.売値が付く条件
すべてのモバイルバッテリーが売却可能なわけではありません。売却に失敗すると二度手間なので、まず「売値が付く条件」を確認しておきましょう。
2-2-1.充放電能力がしっかりと残っている
充放電能力は新品に近ければ近いだけ需要は高まります。できれば8~9割程度の能力は保持しておきたいところです。
2-2-2.変形を起こしていない
変形や亀裂を起こしたものは危険性などの問題もあり、基本的に値段が付きません。多少膨らんでいる程度なら問題とならない場合もあります。
2-3.リサイクルショップ・専門店による買取について
売却先として最も一般的なのはリサイクルショップ・バッテリー専門店・モバイル機器専門店などです。特にバッテリーやモバイル機器の専門店は知識が高いので、比較的高く買い取ってもらえます。
2-4.ネットオークション、フリマアプリで売る場合について
ネットオークションやフリマアプリで売却することも可能です。仲買業者を交えないので、最も高値を付けることのできる売却法となります。ただし、値段設定や写真の撮り方を間違えたりすると逆に安く買いたたかれてしまうのがネックです。
スマートフォンなどの携帯機器の普及に伴い、モバイルバッテリーの需要は年々高まっています。専門店などを介さずとも買い手を見つけることはそれほど難しくありません。気軽に利用してみてください。
3.モバイルバッテリーの正しい捨て方とは?
この項目ではモバイルバッテリーの正しい処分方法をご紹介します。廃棄の仕方を間違えると大きな事故につながる可能性もあるので、十分に注意しましょう。
3-1.回収ボックスの利用
モバイルバッテリーを含めた小型バッテリー全般は、JBRCが無料で回収をしています。JBRCが全国28,000か所のJBRC協力店に設置した充電式電池リサイクルBOXを利用しましょう。投入口に入れるだけで簡単なので、ぜひ気軽にご利用ください。
3-2.自治体による回収は?
前述したように多くの自治体では自主的な回収を行ってはいません。ただし、一部の自治体では不燃ゴミとして回収していることもあるようです。詳しくは各自治体のホームページをご参照ください。
3-3.回収BOXには絶縁して入れること
回収BOXに充電池をそのまま投入すると、ほかの充電池などと接触してショートする可能性があります。ショート防止のため、必ず金属端子部分を絶縁テープで絶縁するか、ビニール袋などに入れてから投入しましょう。これらを怠って火災に至った場合、責任を問われる可能性もあるので十分に注意してください。
4.モバイルバッテリーの廃棄は不用品回収業者がおすすめ!
近年、不用品回収業者を利用する方が増えてきています。不用品をたくさん処分したい際には非常に便利なので、モバイルバッテリー以外にも処分したいものがある場合は利用してみましょう。
4-1.不用品回収業者による処分方法
不用品回収業者を利用して処分することも可能です。わざわざ家電量販店などに出向いて回収BOXを利用しなくても、宅配回収などを利用すれば自宅にいながら処分ができます。非常に便利なのでおすすめの処分方法です。しかし、モバイルバッテリー1つを処分するためだけに利用するのはコストがかかりすぎるので、不要なパソコンやゲーム機なども同時に処分すると良いでしょう
4-2.無料回収で不用品も一緒に処分
業者によっては無料回収を行っていることもあるので業者ホームページを確認してみましょう。たとえば、パソコン処分本舗ではパソコンなどの一部の電化製品を無料で回収しています。さらに、無料対象品目が1つでも含まれていれば、指定のサイズの段ボールに収められた不要品はすべて無料で回収可能です。
4-3.無料回収は詐欺じゃないの?
ちまたでは無料回収をうたう業者は詐欺業者だと思ったほうがいいとされています。しかし、勘違いしてほしくないのは、無料回収をうたっているからと言って必ずしも詐欺業者ではないということです。たとえば、パソコン処分本舗も無料で回収を行っています。しかし、無料で回収が可能なのはリユース・リサイクルで利益を上げているためです。気になる方は業者のホームページを確認し、なぜ無料で回収できているのかを確認しましょう。納得できる説明がなかったり、そもそも説明自体がなされていなかったりする場合は危険なので注意してください。
5.モバイルバッテリー処分に関するQ&A
Q.破損しているものでもリサイクルBOXを利用できるのですか?
A.破損すると中から有害な物質が漏出してしまいます。そのため、有害物質が漏出しないようにテープで絶縁するだけでなく、必ずビニール袋などに入れてから投入するようにしましょう。
Q.悪徳業者に引っかかってしまったらどうすればいいですか?
A.お金を払う前なら、まずは冷静に依頼の中止を申し入れてください。中止はできない、あるいはキャンセル料が必要、などと言ってきた場合はお金を払う前に国民生活センターに相談しましょう。国民生活センターは消費活動に関する無料の相談窓口です。行政の運営する組織なので、安心して相談してみてください。
Q.業者の見積もりにお金はかかるのでしょうか?
A.業者によって異なります。しかし、一般的には見積もりは無料で行っている業者が多いようです。詳しくは業者ホームページなどを確認してください。
Q.バッテリーを処分する必要性はあるのですか?
A.モバイルバッテリーはそれほど大きなものでもありませんから、わざわざ処分しなくても良いのではないかと考える方もいらっしゃいます。しかし、劣化したバッテリーは熱や衝撃などによって破裂や発火をすることがあるので、的確に処分することが大切です。保管する場合は、できるだけ高温な場所や直射日光を避けて保管しましょう。
Q.回収されたバッテリーはどうなるのですか?
A.リサイクルされ、新しいバッテリーの材料として利用されます。
まとめ
いかがでしたか? 今回はモバイルバッテリーの処分に関する情報をご紹介しました。多くのモバイルバッテリーはリチウムイオン電池と呼ばれる充電池によって構成されています。この充電池は自然発火の可能性があることなどから自治体による回収は行われていないのが一般的です。処分するにはリサイクルショップや不用品回収業者などに引き取ってもらうか、充電式電池リサイクルBOXを利用する必要があります。ご紹介した情報を有効活用して、しっかりと処分してくださいね。