デジタル遺品の整理が重要な理由は? 整理手順やデータ消去について

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「デジタル遺品の整理はなぜ必要なのか」「データはどのように消去すればいいのか」など、デジタル遺品の整理で頭を抱えている方は多いでしょう。

故人が使用していたデジタル遺品は、慎重に取り扱う必要があります。デジタル遺品に記録されているデータを消去せずに処分すると、大切な情報が流出する恐れがあるので注意が必要です。

本記事では、デジタル遺品の整理手順やデータ消去などについて詳しく説明します。

  1. デジタル遺品とは?
  2. デジタル遺品の整理手順
  3. 実践的アドバイスとデータ消去について
  4. デジタル遺品に関してよくある質問

この記事を読むことで、実践的なアドバイスや無料回収サービスを利用する方法も分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。


1.デジタル遺品とは?

最初に、デジタル遺品とは何なのか、基本情報をチェックしましょう。

デジタル形式の財産

簡単に説明すると、デジタル遺品はデジタル形式の財産です。一般的な遺品といえば、故人が愛用していたものやコレクター類、本、衣類などがあります。デジタル遺品は、電子マネーやデジタル作品(著作権)、ネット証券の口座などコンピューターやデータといった新しい技術を用いたものです。デジタル遺品に法律上の定義はありませんが、形のある財産と同様に相続の対象となります。

相続トラブルの原因になることも

近年、電子マネーや仮想通貨が一般化されつつあります。デジタル形式の財産は、私たちの生活に身近なものになってきているため、デジタル遺品が相続トラブルの原因になることもあるのです。実際に、故人が利用していたネット証券が分からない、金融機関のIDとパスワードが見つからないなど、さまざまなトラブルが起きています。デジタル遺品のトラブルを防ぐためにも、慎重に整理することが大切です。

デジタル遺品に該当するもの

では、一体どのようなものがデジタル遺品になるのでしょうか。主なデジタル遺品は、下記のとおりです。

ソーシャルメディアアカウント

デジタル遺品の代表例として、ソーシャルメディアアカウントがあります。X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSアカウントがある場合、どのように扱えばいいのか悩みがちです。遺書やエンディングノートに記載されていればいいのですが、何も書かれていない場合はSNSを削除するか、そのまま放置するかの2択になります。ただし、削除するにもログインが必要です。ソーシャルメディアアカウントにログインするためのパスワードが分からない場合は、ログインもできません。

電子メール

ソーシャルメディアアカウントは、インターネットにつながっている「オンラインのデジタル遺品」となります。一方、電子メールの文書や写真データなどは、インターネットにつながっていない「オフラインのデジタル遺品」です。電子メールの中には、故人が親しい人とやり取りしていた内容や写真が残されているため、遺族にとっても故人との思い出の品が隠れています。また、電子メールは、故人が親しくしていた人と連絡を取るための手段にもなるでしょう。

クラウドストレージ内のデータ

容量の大きい写真や動画・資料などを保存するクラウドストレージ内のデータも、デジタル遺品の1つです。クラウドストレージ内には、さまざまなデータが保存できます。クラウドストレージはインターネットを介してデータを保存する場所なので、保存場所のURLを共有し、アクセス制限がなければアクセス可能です。ただし、URLを事前に共有されていない、アクセス制限がある場合はクラウドストレージにアクセスできません。

金融取引に関するアカウント

ネット銀行やネット証券のアカウントもデジタル遺品です。故人が生前利用していた金融機関が分からない、相続の手続きが進まないなどのトラブルがよく起きています。ネット銀行やネット証券は家族に内緒で始める人も多いため、どのくらいの資産があるのか、どのネット証券会社と取り引きをしていたのかと、デジタル遺産の実態調査が難しくなるのです。特に、遺産を分割協議した後にネット証券やネット銀行の実態が明らかになると、面倒な事態に発展するでしょう。

財産的価値のあるデジタル作品

故人やパソコンやスマホなどのデジタル端末を利用して、動画や画像・音楽などの作品を生み出していた場合、著作権に応じて財産的価値が生まれることになります。デジタル作品には著作権が発生するため、財産的価値のあるデジタル遺産になるのです。最近は、デジタル作品を制作するケースが増えてきているので、故人がデジタルの著作物を残していないか、確認する必要があります。

2.デジタル遺品の整理手順

ここでは、デジタル遺品の整理手順について詳しく説明します。

デジタル機器のロックを解除する

最初に、パソコンやスマホなどデジタル機器のロックを解除する必要があります。ロックがかかっていない状態なら問題ありませんが、ロックがかかっている場合はパスワードが必要です。一般的に、デジタル機器にはロックがかかっており、パスワードが分からずにデジタル遺品をそのまま放置する方が多いでしょう。まずは、思い当たるパスワードを入力してみてください。それでもデジタル機器のロックが解除できない場合は、パスワード解析ソフトを用いるのか、専門業者に相談するのがおすすめです。

データをチェックする

デジタル機器のロックが解除できたら、次にデータを確認します。デジタル機器内のデータでチェックしておきたいポイントは、主に以下のとおりです。

  • ソーシャルメディアアカウントの情報
  • 有料サービスやアプリの有無
  • ネット証券など金融取引や口座の有無
  • 友人・知人の個人情報

上記の中でも、故人の財産に関係するものは、しっかりと確認しておきましょう。前述したように、デジタル遺品の中には、財産的に価値のあるものがあります。財産的価値のあるものはデジタル遺産となるため、相続手続きが必要です。また、有料サービスや有料アプリを利用していた場合は、解除手続きをしましょう。

データを完全消去する

デジタル機器のデータをすべてチェックし終えたら、不要なデータを完全消去します。思い出の写真など手元に残しておきたいデータがあれば、ほかのデジタル機器やHDDなどに移行しておきましょう。そして、デジタル機器を処分する前に、データを完全消去することが大切です。デジタル機器のデータは、「アプリやファイルを削除する」「初期化すれば大丈夫」と思われがちですが、それらの方法では完全消去できません。デジタル機器のデータを完全消去する際は、HDDといった記憶媒体を破壊するか、消去専用ソフトを使用する方法があります。

デジタル機器を処分する

デジタル遺品のデータを完全消去した後は、デジタル機器を処分します。遺族でもらい手がいれば処分せずに済みますが、誰もいない場合は処分することになるでしょう。スマホやパソコンなどのデジタル機器は、PCリサイクル法または小型家電リサイクル法に基づいて処分します。詳細は、自治体のホームページ等で確認してください。なお、デジタル機器がまだ正常に可動できる状態であれば、リサイクルショップに買い取ってもらうこともできるでしょう。ただし、デジタル機器を処分・買取に出す場合は、しっかりとデータを削除することが大切です。

3.実践的アドバイスとデータ消去について

ここでは、実践的アドバイスとデータ消去について詳しく説明します。

相続人全員の同意を得る

まだ相続配分が決まっていない状態でデジタル機器のロックを解除する場合、相続人全員から合意を得る必要があります。ほかの相続人にロック解除の旨を伝えずに実行すると、後で相続トラブルになる恐れがあるからです。実際に、デジタル遺品の整理によって相続人同士のトラブルに発展した例はたくさんあります。「この日にロック解除をする」と相続人全員の同意を得てから実行に移してください。

遺言書やエンディングノートを確認する

デジタル遺品をスムーズに整理するためにも、事前に遺言書やエンディングノートを確認しておきましょう。特に、遺言書は法的効力があります。遺言書にデジタル遺品に関して記載されている場合は、その内容に従うことが重要です。また、エンディングノートに法的効力はありませんが、個人の要望が書かれています。できるだけ、故人の要望に添いながらデジタル遺品を整理していきましょう。

デジタル機器の故障に注意する

デジタル機器の整理で気をつけておきたいのが、パソコンやスマホなどの故障です。デジタル機器が故障してしまうと、そこに記録されているデータが破壊され、アクセスできなくなるでしょう。特に、デジタル機器だけに保存されている画像などのデータは、故障によって永久に失われてしまいます。デジタル機器が故障しないように、大切に保管しておきましょう。

データ消去を専門業者に依頼する

自分でデジタル遺品のデータが消去できない場合は、専門業者に依頼するのも選択肢の1つです。不用品回収などを行っている業者の中には、データ消去サービスを受け付けているところがあります。一般の人では使用できない専用の機器を用いてデータを消去するため、安心してデジタル機器が処分できるでしょう。

デジタル機器の処分ならパソコン処分本舗へ

どこにデータ消去サービスを依頼すべきか、できるだけ費用をかけずにデジタル機器を処分する方法はないかと悩んでいる方は、ぜひパソコン処分本舗をご利用ください。パソコンや不用品の無料回収を行っているパソコン処分本舗では、全国どこからでも無料で回収が可能です。故障したパソコンはもちろんのこと、パソコンを含めた送料無料対象商品が1点でも含まれていれば、有料商品をいくつ同こんしても送料は無料となります。データ消去サービスも行っているため、デジタル機器の処分も安心です。

4.デジタル遺品に関してよくある質問

デジタル遺品に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.デジタル遺品を放置するとどうなるのか?
A.さまざまなリスクが生じることになります。たとえば、デジタル機器の中に記録されているデータが第三者に盗まれてしまったり、有料サービスの課金が継続されたりするなどです。また、ソーシャルメディアアカウントが乗っ取り被害に遭(あ)ってしまう可能性もあります。これらのリスクを軽減するためにも、早めにデジタル遺品を整理しましょう。

Q.スマホのロックを解除する際の注意点は?
A.相続人全員の同意を得るのはもちろんのこと、iPhoneのロック解除に注意してください。iPhoneのロックを解除する場合、パスコードを10回間違えてしまうとデータが消去されてしまいます。ほとんどの人が、このiPhoneの機能を使用しているので、手当たりしだいにパスコードを入力するのはNGです。

Q.デジタル遺品のデータを消去する必要性は?
A.データを消去せずにデジタル機器を処分したり、買取に出したりすると、個人情報やSNSのアカウントなどが外部へ流出し悪用される恐れがあります。たとえ、壊れているデジタル機器だとしても、データを記録しているHDDといった記憶媒体を完全消去しなければ、第三者へ情報が流出する恐れがあるので注意が必要です。

Q.デジタル遺品の相続で注意すべきことは?
A.すべてのデジタル遺品が相続できるわけではありません。たとえば、LINEは利用規約で「一身に専属したもの」と記載されています。一身専属的に帰属するデジタル遺品は、第三者に相続できません。よって、LINEは本人以外に引き継ぐことはNGとされているのです。デジタル遺品にもさまざまな種類があるため、それぞれ引き継ぎの確認をする必要があります。

Q.デジタル遺品の法的な問題点は?
A.「個人的なデータを見るのは法的に問題なのでは?」と思われがちですが、故人の個人的なデータは問題ありません。ただし、クラウドサービスやソーシャルメディアなどのID・パスワードを不正取得し、ログインした場合は違法になる可能性があります。法的な問題が気になる場合は、弁護士など専門家に相談したほうがいいでしょう。

まとめ

デジタル遺品の整理が重要なのは、故人の大切なデータを守るためです。スマホやパソコンなどのデジタル遺品には、写真・動画、電子メール、ソーシャルメディアアカウント情報などさまざまなデータが記録されています。これらのデータをしっかりと整理し、デジタル機器を処分前に削除することで個人情報の流出が防げるのです。なお、パソコン処分本舗ではデータ消去サービスを行っています。デジタル機器のデータ消去でお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。