物理破壊すべき!? 不要なハードディスクの処理方法とは?
2023/04/01
2023/11/22
ハードディスク(HDD)が壊れたけれど、処分に困っているという方、非常に多いようですね。データを消去するためにはどうすればいいのか、あるいは物理破壊した方がいいのか……など、さまざまな悩みがあることでしょう。
そこで、今回はハードディスク(HDD)の処分にまつわる情報をご紹介します。
1.ハードディスクの寿命について
1-1.ハードディスク(HDD)の寿命は5年
ハードディスクは必ず壊れるパーツです。なぜかというと、ハードディスクは情報を記録する際に10ナノメーター(0,00001ミリメーター)という極小針でディスクに情報を刻み込むことでデータを保存します。そのため、何度も何度も情報を書き換えていれば、それだけ傷が増えていくわけです。そして、この傷はデータそのものなので埋めて修復することもできません。このようなことから、使い続ければ必ず故障してしまうわけです。
そして、平均的に不具合が出始める時間が5年程度と考えられています。もちろん、製造メーカーや製品グレードによって変わってくるので注意してください。中には10年以上も問題ない優秀なハードディスクもあります。
1-2.ハードディスク(HDD)の寿命を調べるには?
ハードディスクの寿命は平均5年といわれていますが、使用環境やメーカー、製品グレードなどによっては大きく変わってきます。そのため、細かく調べたいならソフトを使用するのがベターでしょう。
ハードディスクの状態を調べるソフトは無数にあるので、ネットの評判などを参考に、自分に合ったものを探してみてください。
もちろん、1番いいのはハードディスクの製造メーカーが提供している純正ソフトです。ただし、必ずしも診断ソフトをメーカーが提供しているとは限らないので、注意しましょう。
1-3.ハードディスク(HDD)が壊れてしまったら『RMA』
メーカー保証の期間内であれば、仮にハードディスクが壊れてもハードディスクメーカーが無償で修理してくれます。場合によっては新品と交換してくれることもあるようです。
このような制度を『RMA (Return Merchandise Authorization)』といいます。日本語でいえば、返品交換、返品保証、返品承認といったところでしょう。メーカーホームページで確認してみてください。
2.ハードディスク(HDD)を使えなくする必要性
ハードディスクを新しいものに交換しようと考えているアナタ。古くなったハードディスクはどうしようと考えていますか? そのまま捨ててしまおうと考えているようなら、少し待ってください。実は、ハードディスクは処分前に使えない状態にする必要があるのです。
では、なぜハードディスクを使えなくする必要があるのでしょうか?
2-1.データを悪用される
ハードディスクはデータを記録する装置です。もしも仕事で使っている場合、適切な処理をしないと内部データが漏えいしてしまう可能性があります。というのも、ハードディスクのデータは自力ではなかなか完全に消去するのが難しいからです。
情報漏えいは『6か月以下の懲役または30万円以下の罰金』とされています。初犯ならば実刑はないので、普通は30万円弱の罰金で終わる軽い刑です。しかし、だからといって甘く見てはいけません。
もしも、漏えいしたデータによって、所属会社や取引先などに損害が出た場合、損害賠償を請求される可能性が高いからです。そして、何よりも社会人として大きなダメージとなるでしょう。今後、仕事をしていく上で、情報を漏えいする可能性のある人物として扱われてしまいます。
ですから、パソコンを仕事に使っているという方は、十分に注意しましょう。
2-2.個人データを抜き取られる
ハードディスクの中には個人情報などのデータが大量に記録されています。バレても問題がないという方もいるかもしれませんが、人によっては大きな問題となるでしょう。
もしも、パスワードなどを忘れないようにと記録しているファイルがあったら、悪用されて損害を受ける可能性があります。あるいは、恋人などとの個人的な動画や写真を復元されてネット上にアップされたら、両者ともに大きな被害となるでしょう。
3.通常の消去法じゃデータは消えない!?
ハードディスクのデータを残さないことが重要と理解しましたよね。しかし、中には「自分で消去すれば問題ないだろう」と考えている人もいるかもしれません。しかし、すでに軽く触れたように、ハードディスクのデータは個人で完全に消去するのは難しいとされています。
データの消去といえば、だいたいの人は次のような方法が思い浮かぶはずです。
- ゴミ箱に捨てた上で完全に消去する
- ディスクを初期化する
- リカバリディスクでパソコンを工場出荷時の状態に戻す
しかし、これらの方法では全然消去できていません。
Windowsを例にして解説してみましょう。WindowsはFAT(File Allocation Table)というファイルシステムでデータ管理をしています。FATはいわばファイルの『目次』で、ファイルの種類や保存場所の情報などが記録するのが仕事です。エクスプローラーなどのソフトウェアは、この目次情報を使ってフォルダの内容を表示しています。そして、いわゆる『削除』や『初期化』というのは、この目次(FATデータ)を削除しているにすぎないのです。
そのため、特殊な復元ソフトを使うことで復元することが可能とされています。
4.ハードディスク(HDD)を使用不可にする方法
4-1.専用ソフトでデータを破壊する
専用ソフトを使ったデータ破壊する方法が、データの消去法としては最もポピュラーでしょう。
専用ソフトといってもやっていることは単純で、すべてのデータを無意味なデータに置き換えるだけです。0と1に書き換える方式が一般的ですが、政府機関などにも採用されるような高度な消去ソフトもあります。
4-2.ハードディスク(HDD)を物理破壊する
専用ソフトなどといわれてもよく分からない。そんな方には、ハードディスクを物理的に破壊する方法がおすすめです。
破壊方法としては、金づちやハンマーでたたき割る方法と車を使って圧壊させる方法がよいでしょう。
金づち系で破壊する場合は、事前に袋などに入れて部品が飛び散らないようにしてからにしましょう。車で破壊する場合にはタイヤがパンクしないように、鉄板などをハードディスクの上に敷くようにしてください。ただし、車の重量によっては破壊できないことも多いのであしからず。
4-3.機密情報処理サービスに依頼する
自分でデータを消去するのも物理的に破壊するのも難しい、という方もいるはず。そんな方は機密情報処理のサービスを行っている業者に依頼することもできます。
まとめ
いかがでしたか?
今回はハードディスクの処分法について中心にご紹介しました。
- ハードディスク(HDD)の寿命について
- ハードディスク(HDD)を使えなくする必要性
- 通常の消去法じゃデータは消えない!?
- ハードディスク(HDD)を使用不可にする方法
ハードディスクの処理は非常に重要です。おざなりにはせず、しっかりと対処しましょう。