知らなかったじゃ済まない!事務所移転に必要な5つの準備と注意点とは?

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア

会社オーナーにとって、初めての事務所移転は、やることが多すぎる上に忙しく、大切な届け出を忘れてしまうこともしばしば。特に、手続きや庶務内容は、個人の引越しとは違い複雑でかなり面倒です。会社のオーナーとしては、1日も早く業務をスムーズに稼働させなくてはいけませんので、綿密なスケジュール管理も必要となることでしょう。今日は、事務所移転に必要な様々な準備を5つにわけご紹介します。移転に関しての注意点などもまとめましたのでぜひ参考にしてください。

  1. 事務所移転のスケジュール
  2. 荷物のこん包方法と手順
  3. 事務所移転に必要な届け出は?
  4. 事務所移転の注意点
  5. 事務所移転での不用品処分方法とは?

1.事務所移転のスケジュール

事務所の移転は、規模にもよりますが、8か月~6か月ほどの期間が必要です。期間が長いので、細かいところまで必要項目を洗い出し、スケジュールを組みましょう。事務所などのオフィスビルでは、契約解除の解約予告期間を、3か月~6か月ほどで設定されることが多いです。事前に確認し、解約日から逆算してスケジュールを組むことをおススメします。

1-1.6か月前にやること

移転日までは半年も先なのに、やることはたくさんあります。ここで早めに行動していないと移転日までに間に合わなくなってしまいますので注意しましょう。

  • 現在の入居ビルへ解約報告
    ビルの解約期間は特に重要で、違約金などがかかる場合がありますので注意しましょう。解約予告は必ず書面で行い、敷金の返還時期などの予定も確認してください。

  • 原状回復条件の確認
    賃貸物件は、原状回復して返還する必要があります。パーティションや床、エアコンなど、入居の際に設置したものは すべて入居する前の状態に戻さないといけません。ただ、現状の状態の方が新しい入居者が決まりやすいレイアウト管理会社が判断した場合、そのまま退去してもいいよと言われることもあります。

  • 移転チームを編成する
    会社の移転は、大きな仕事です。綿密なスケジュールを立て、スムーズに移転できるよう、移転チームを編成し、 各部門にわけながら進めていくと良いでしょう。

  • 物件の契約
    なぜ移転することに決めたのか、次の移転先を決める上で重視する条件は何なのかをいま一確認し、物件探しをしま しょう。会社の場合、業種によっては住所や来客のためのアクセスなども気になるところです。後悔しない物件探し を意識して、色々な方向から思案することが大切です。

  • 原状調査
    事務所移転の現状調査では、今の事務所の問題点や改善点を調査し、分析を行い、効率的に改善していきます。現在の事務所の問題点をしっかりと把握しリストアップすることで、新しいオフィスのレイアウトにも活(い)かされる大切な調査です。

1-2.5か月前にやること

事務所の移転には、電話やネット、オフィス家具納入、LAN配線など、それぞれ専門の業者がいます。自社でできないと判断したら早めに業者選定を行ってください。

  • ・レイアウトを決める
    原状調査で得た情報をもとに、新しいオフィスのレイアウトを決めていきます。

  • オフィス家具納入業者決め
    オフィスに必要な家具はどうするのか?納入する業者やレイアウトする家具を選定しましょう。

  • 電話、OA機器の移設依頼
    人数が多く、大きな会社を移設するときの電話やパソコン機器は、専門の業者にお願いした方が間違いありません。 移転後、すぐに仕事が始められるよう手配をしておきましょう。

1-3.3~2か月前にやること

移転日から3~2か月は、いよいよ具体的な図案や設備工事の依頼をしていきます。

  • 内装設備工事依頼
  • 電話、LAN配線図完成
  • 電源・空調工事

もともと空調が設置されていれば楽ですが、されていない場合はどうする?電話やLANの配線配置は決まっているか?など、具体的なところまでつめていきましょう。

1-4.1か月前にやること

ついに事務所移転まで1か月。やることもどんどん増えていきます。具体的には、

  • 物件引き渡し
  • 内装設備工事
  • オフィス家具搬入
  • 運送業者に移転日連絡
  • 電話移設工事
  • 取り引き業者連絡

などになります。事務所移転では、事務所専門の引越し業者にお願いするのが安心です。会社の大切な書類やパソコンを運びますので、信頼できる会社にお願いしましょう。

1-5.引越し当日

長かった移転計画もいよいよ大詰め。引越し当日はトラブルに見舞われることも多いですが落ち着いて、冷静に対処していきましょう。

  • 引越し作業
    業者に依頼をしても、社員はどこまで手伝うのかを事前に確認して説明が必要です。重要な書類や貴重品は個人で 管理、運ばせるようにするとトラブルを防げます。

  • 原状回復工事開始
    荷物をすべて運び終わったら、原状回復の工事を開始できます。どこまで回復工事を行うかは、契約しているビル 管理会社へ確認し、作業を進めます。

  • 保証金の清算
    事務所の保証金はかなり大きなお金が動きます。保証金の清算はだいたいいくらで、いつ支払われるのかなどは十 分に確認しておく必要があります。

  • 廃棄処理
    会社で出た不用品や処分品は指定の方法を守り、きちんと処分しなければいけません。

2.荷物のこん包方法と手順

事務所で扱う書類や、OA機器は、個人情報や機密情報が含まれています。取り扱いには十分注意しましょう。書類や資料は、重なると重くなりますのでダンボールに入れる際には、底をガムテープで十字に補強。オフィス机の引き出しには何も入れず、カギをかけ、カギがない場合、ガムテープを貼って、運送中開かないようにします。
荷物の中身を明確にするためにも、ダンボールの側面にラベルを貼るか、分かりやすくマジックで書きましょう。ダンボールの上に貼ると重ねたとき見えませんので、必ず側面に貼るようにしてください。

3.事務所移転に必要な届け出は?

事務所の移転には、様々な行政機関への届け出が必要です。うっかり忘れてしまい手続き期限が切れてしまうと、罰則を受ける場合もあります。いち早く手続きするよう心がけましょう。

  • 異動届
    税務署には、移転日から1か月以内に異動届と登記簿謄本を添付しなければいけません。また、移転日から10日以内に、都道府県事務所にも異動届を出す必要があります。

  • 移転登記申請書
    税務署にて、本店、支店いずれかの移転登記申請書を出します。移転日より2週間以内が期限です。

  • 事業所所在地変更届
    社会保険事務所に移転日から5日以内に届け出が必要です。

  • 名称所在地変更届
    移転後の管轄労働基準監督署へすぐに手続きします。

  • 雇用保険事業所変更届
    移転日から10日以内には、公共職業安定所で変更します。

  • 郵便物届け出変更届と転居届
    移転が決定したらなるべく早めに郵便局で手続きしましょう。

4.事務所移転の注意点

事務所の移転には、まだまだ変更することが山積み!忘れがちなものを以下にまとめましたので整理しておきましょう。

4-1.取引先業者への連絡

取引先の会社や銀行など、自社とかかわりのある企業へ移転案内状を送付やメールで連絡します。案内状送付の時期は、だいたい移転日の1か月前から行うといいでしょう。

4-2.社内印刷物の変更

社名入りの封筒や名刺、パンフレットなどの社内印刷物の住所変更も忘れずに行っておきましょう。移転を機にデザインを変更する場合は印刷物の発注業者と早めの打ち合わせが必要。社判やゴム印、伝票類の住所も変更が必要です。

5.事務所移転での不用品処分について

事務所の移転は、思った以上にごみや廃品、オフィス家具や書類の処分が必要になります。このような大量のごみはどうすればいいのでしょうか。この項では、負担の少ない安全な処分方法をご紹介します。

5-1.長期保存の書類はどうする?

会社の書類には、個人情報や機密情報が含まれています。このような書類を廃棄する場合にはかなりの注意が必要です。記録メディアなどの持ち出しや、ライバル企業への情報漏えいを避けるためにも、書類はシュレッダーを使う、パソコンは分解しハードディスクを破壊して処分しなければいけません。

5-2.粗大ごみ・廃品の処分方法

粗大ごみや廃品は、信頼できる不用品回収サービスを格安で行っている業者に頼みましょう。無料で見積もりを取ってくれる業者にお願いすれば、事前にだいたいの費用も確認できます。オフィスの粗大ごみや廃品は、自社で処分するには量も多く、かなりの費用もかかりますので、業者に頼むのが一番です。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、事務所を移転するときに必要な5つの準備と注意点をご紹介しました。事務所移転は、移転しようと思った日から実際の移転日までかなり長い時間を要します。手続きや届け出、決めなくてはいけないことも膨大なため、チームを組み、計画的かつ効率的に進めていきたいものです。各行政への届け出期限は、タイトに決められています。チェックリストを作り、余裕をもって行動するように心がけましょう。